─不思議なものだな…。
隣に座るラウラに、そして病室を静かに出て行く医者の背に目を向け、男はポツリと思った。
前も、誰かとこんな風に話してた気がする。誰かは思い出せないが…。
とても大切な……大切な……友人…?
─……ふぅ…。
男のため息に、ラウラが目を向ける。
「大丈夫? 今日はここで休んで、明日、また様子見に来るから」
そう言ってラウラが立ち上がったのと同時に、先ほどとは違う、今度はうっすらとピンク色のエプロンを付けた女性がカートを押しながら入ってきた。
「お気分はいかがですかー? お薬とお食事をお持ちしました」
医者よりも少し若く見えるその女性は、慣れた手付きで薬の分量を測り、小さめのキャップに注いだ。
それを男に差し出す。
「毎食前、このキャップの三分の二くらい飲んで下さいね」
頷きながら受け取り、一気にそれを飲み下す。
女性は、空になったキャップを受け取ると、カートに乗せてある病院食をテーブルに並べていった。
汁物がメインで作られているのは、消化が良いからだろうか。
一つ一つ並べられていくのを目で追いながら、ラウラが口を開いた。
「じゃ、また明日ね」
言い残して部屋を後にする。
ラウラと入れ違いで、医者が点滴を片手に部屋へ入ってきた。
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