「まだ最悪の状況を考えるには早すぎる。
ヴァル、さっきの音、聞いたか?」
ラーマの問いに、頷くヴァルザック。
「あれはリザードマンの声だ。前に一度だけ聞いたことがある。間違いない」
まるで、苦虫を噛んだような表情の彼を見れば、そのリザードマンがいかに厄介な相手なのかが容易に想像出来る。
「リザードマン……」
ポツリと呟いたレナに、クレイグが声をかけた。
「知ってるのか? レナ」
一斉に集まる視線に、レナは慌てて手を振る。
「い、いえッ! 本で読んだだけで……。ただ、そういえば、マーマンを束ねているのがリザードマンだと…書いてあったのを思い出して……。
すみませんッ! もっと早く思い出せば良かった……」
そう言って頭を下げるレナに、ラーマが首を振った。
「いや、例え事前に知っていたとしても、我々はここに来ていただろう。
気にすることはない」
ラーマの言葉に、ヴァルザックが頷く。
「……とにかく、キスティンを探そう」
ウルの提案に全員が賛同し、暗い通路へ走り出した。
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