涙が引いたことを確認したレナは、瞳を開いた。
それと同時に、ウルが何か言おうと口を開いた瞬間。
ギギャギュオォォッッ
轟音とも雄叫びともとれるその音に、一瞬体が竦む。
「何だ……ッ?」
辺りをキョロキョロと見渡しながら呟くウル。
その耳に、乾いた足音が届いた。
「ウルッ! レナッ! ラーマッ!」
聞き覚えのある声に、三人の視線が一点に集まる。
「クレイグ!」
「クレイグさん!」
声の主の姿を視界に捉えたレナとラーマが同時に叫んだ。
クレイグの後を追うように、人型になったヴァルザックが姿を現す。
「キスティンは?」
この場にいないもう一人を探し、視線を巡らせるクレイグ。
「キスティンは、あの丸太の所に…って、そっちから来たんですよね…。いなかったんですか?!」
レナの言葉に、ヴァルザックが頷く。
「丸太がなくなっていた。マーマン達の死骸は大量に転がってたけど、キスティンはいなかったぞ?」
「そんな……
まさか、そんなはずは……ッ!」
キスティンは一人でどこかに移動したのだろうか?
戻ると言った以上、彼女が単独でどこかに移動するとは、レナには思えなかった。
ならば、何故いないのだろうか。
体から力が抜けたように、その場に座り込むレナ。
そのレナを支えるように、ラーマが手を伸ばしながら言った。
.

