「ダメだッ! お前も連れて行くッ!
待っていろ、今そっちに……」
即答したラーマが、丸太に乗ろうとした瞬間、その丸太が大きく揺れて闇の中へ落下した。
「……ッ?!」
驚いた表情でそれを見るウル達の耳に、再びキスティンの声が届く。
「ヴァルもクレイグも、あれくらいじゃあ死んだりしないわよ…。絶対に」
キスティンは、真っ直ぐにラーマを見て続けた。
「丸太を渡ったら、間違いなく途中で追いつかれちゃうわ……。
でも、こうすれば、あいつらは先へ進めないでしょ?」
悪戯っぽい笑顔を浮かべて。
「…い…や…ッ! 嫌よ、キスティン!」
「行ってったらッ! 早くッ! で、さっさと記憶戻して助けに来てよねッ!」
ウル達から視線を外し、通路の奥に延びる暗闇を見据えて、投げ捨てるように言うキスティン。
その耳に、一際大きくなったマーマンの声が響く。
キスティンにピッタリと寄り添っていた豹のような生き物、クーパが通路に向かって低い唸り声を上げる。
「………キスティン………」
ラーマは小さく呟くと、一拍間を置いてから、ウル達の方を向いた。
「………行くぞ……ッ」
.

