ウルは、レナにとって特別な人だ。
それを知るキスティンは、今のレナには何を言っても聞かないということを知っている。それでも拒み続けたのは、レナの身を案じる一心から。
ウルが記憶の泉に行くならレナも間違いなく行くだろう。分かっているからこそ、キスティンは頷けなかった。
だが……──
「……分かった。負けたわよ、レナ。
ただし、条件があるわ。少しでも危ないと感じたら、例えそれが泉の目の前であっても必ず引き返すこと。決して無理はしないこと。
これが絶対条件よ」
「─…ッ! 有り難う、キスティンッ!」
レナの意志の堅さにキスティンは折れ、条件付きで場所を教えることとなった。
そのすぐ後、街を歩きながら、いざ戦闘となった時に備えて武器や道具等を買い揃えに行くウルとレナ、そしてキスティン。
まず先にウルの服。
淡いグレーのシャツに、黒のズボン。戦闘時にすぐ取り出せるよう、バストベルトにロッドを装着。
その上から防御魔法を織り込んだ生地で作られた丈の長いローブを羽織る。
靴も同じように防御力の高いブーツ。
「うん、良いんじゃない?
ちょっと値が張るけど、これからのことを考えたら妥当かな」
ウルの姿を一通り見たキスティンが、呟くように言った。
「決まり? すみません、コレ下さい」
キスティンの言葉に、レナが店員に声をかける。
「これ、このまま着ていきますんで」
会計をする店員に、キスティンが付け足すように告げた。
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