綺麗な建物が立ち並ぶ中を、迷うことなく早足で歩くラーマ。その後を、おなじように人型となったヴァルザックが小走りで追いかける。
「すげぇ……俺、こんなデカい街の中をあるくの、初めてかも。
なぁ、ラーマ。お前、歳いくつ? 俺より色々な所に行ってるだろ、絶対」
辺りをキョロキョロと見ながら、前方を歩くラーマに問いかけるヴァルザック。
ヴァルザックを振り返ること無く、少し狭い路地に入りながら答えるラーマ。
「相手に歳を聞く時は、先に自分の歳を明かすべきだろう?」
それもそうか。
ポンッと手を打ち、
「悪かった。俺、今年で百三十六。
あんまりバルダークから出たことが無い上に、こんなデカい街にも用なんてないから今まで来ること無かったんだ」
そう言うヴァルザックを、真っ白い壁に覆われた建物の前で足を止めたラーマがようやく振り返り、言った。
「ほう……ならばヴァルの方が僅かに年上だな。我は今年で百二十三になる」
予想外に近いラーマの歳に、目を丸くするヴァルザック。
「マジか。俺と殆ど同い年だな…。なのにこの威厳の差はナニ? 歩いてきた時間の重さがよっぽど違うのか……?」
眉を寄せるヴァルザックを見て、ラーマは鮮やかに笑った。
人間の男がみたら、一目で落ちてしまうほど、美しい笑顔。
「性格の違いだな」
ラーマの発した言葉に、ヴァルザックはがっくりと肩を落とした。
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