「では、私は“美雨ちゃん”とお呼びしますね」
お嬢様オーラを全身から放出している雅ちゃんの言葉遣いは、とても丁寧。
アンタだのヤツだのアイツだの(←全部王子のこと)
言っている私とは、大違い。
私とタイプは全然違うけれど、なんだか仲良くなれそうな気がした。
「いざ、教室に参りましょう!」
「うん♪」
橘 美雨、十五歳。
高校入学初日からいろいろあったけれど、
これからは、高校生活をenjoyします!!
* * *
入学してからまだ一日、という事で、今日は授業はなく、クラスの顔合わせの日らしい。
そもそも亜梨須学園は、他の高校より一週間、始まるのが早い。
何でも、その一週間のうち何日かを使って、親睦行事をするという習わしがあるそうで。
僅か、二時間で終わった顔合わせ。
最悪なのは、私の隣の席が王子であること。
女子の視線がイタイ・・・
おまけに、休憩に入ると女子がわらわら寄ってきて、
王子の席の周りは、凄い状態になる。
しかも、寄ってきた女子に向かって、王子はお得意の天使スマイル。
その様子を見て、
・・・チクッ
と胸が痛んだ。

