俺の名前は天宮七音。七音って書いて『ナナト』って読むんだ。
顔はどちらかというと女顔で、身長は高いという程の高さはない。
妹の佑音とは顔がそっくりで、小さい頃は声まで全く一緒だった(双子だからね)。
「今日さ、兄さんのクラスの人に呼び出されたんだ。」
「そうなの?誰か分かる?」
「確か……マスオ、とか言ってたかな。」
「松尾君ね。マスオじゃないよ。」
「そっか。」
佑音はちょっと抜けててちょっとお馬鹿。
だけど一部の人間には『そこがいいんじゃん!!』って言われるんだよね。可愛いって。
……だからと言って妹を男にくれてやる気なんてないんだけど。
(松尾君には明日ガン飛ばそう。)
威嚇のつもりで。
「それにしても……」
佑音は長い髪の毛と短いスカートを手で押さえながら、辺りをキョロキョロと見回す。
「凄い風だね……」
そして、目にゴミでも入ったのかキュッと瞼を閉じた。
そう言えば今日の朝、お天気お姉さんが午後に風が強くなるから注意してって言ってた気がするな。
「佑音、何か飛んで来たらちゃんと避けるんだよ?」
「ええ?何が飛んでくるの?」
「大きな看板とか……」
「な、何それ。嵐じゃないんだから……」
苦笑いを浮かべる佑音。
大きな看板っていうのは冗談だけどね、ちょっと警戒をする佑音って面白いからついつい言ってしまう。
気にしていないフリして何気に気にしているところが可愛いんだ。
「ほら佑音、いつまでもこんなとこにいないで早く肉買いに行こう?」
「え!?べ、別にそんな、看板を本気で探してたってワケじゃないし!!」
「へぇー……探してたんだ?」
「はっ……そんなワケないし!!
スーパー!早くスーパー行こう!!」
「ふふ、はいはい。」
照れ隠しのつもりなのか、俺の手を引っ張って佑音は前へと歩き始める。

