「――でさぁ、……って、若菜?聞いてる?」

「ん?」

「私の話、聞いてた!?」

サラダをつつきながら、笑顔だけで応える。

「何、その笑顔。聞いてなかったでしょ!?」

「ふふっ。聞いてたよ?」

「じゃあ、何話してた?」

「カレシとのおのろけ話。」

「もぉ〜!!」

と口では言いながらも、浩実は私の性格を心得てる。顔は全然怒ってない。

「でも、合ってるでしょ?」

「うん、まぁ。」

私だって浩実のことは、ある程度はわかってるつもりだ。こう見えて、ちゃんと話も聞いてたし。

「若菜、カレシさんと上手くいってないの?」

いきなり、何を言い出すんだ!?

「何で?」

「心ここに在らず、って感じだから。」

浩実は何でもお見通しなのね。


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