「若菜ぁ!終わったよ〜!!」

浩実が私のことを呼ぶ。

「友達、終わったみたいだね。」

「そうですね。なんか、いろいろありがとうございました。」

素直に、感謝の言葉が出てきた。

「いいえ、お疲れ様。」

カワサキはニコッと笑って言った。
やっぱり、あの八重歯、かわいい。

もう一度、カワサキに向かってお辞儀すると、浩実のところへ行った。

「若菜、何か楽しそう。」

私の顔を見た浩実が言った。

「そぉ?」

「うん。院生の人も楽しそうだったもん。」

「そうかなぁ?でも、いろいろ聞けたよ。」

私は、カワサキから聞いたことを浩実に話した。

「若菜、新しい恋、じゃない?」

「はっ!?何で?」

「遠くのカレシより、近くの先輩だよ。」

「意味わかんないんだけど。って言うか、私の話からどうしたらそうなる?」

浩実は、意味深な笑みを浮かべていた。


.