『あ…そうですよね~』

当たり前だろ!
誰が俺の携帯を教えるかってえの!

「じゃ、明日も早いので失礼します」

『じゃあ、ま……』

春って女の挨拶も待たずに俺は電話を切った

「桜嗣?」

「ん?」

「怒ってる?」

「いや、怒ってない」

俺は笑顔で首を横に振った
暗い部屋で、莉緒に笑顔が見えたかはわからないけど

「だらだらと会話するのは面倒くせえだろ
長引くなら、俺がさっさと探したほうがいい」

「良い店があるの?」

「いや、ない
明日、彰吾に聞くからいいんだ
あいつなら会社社長だし、いろんな店を知ってるだろ?」

俺は莉緒を抱きしめると、布団の中にもぐった