「んじゃ、和食」

「うん、明日メールしておくね」

「そうしておいてくれ」

俺は枕の頭を落とすと、瞼を閉じた

莉緒が返信しなきゃ、きっとメールも来ないだろ

俺は安心して、眠ろうとした


…が
今度は電話の着信が鳴る

「んだよっ!」

俺が起き上がると、莉緒が申し訳なさそうに身を縮めた

「ごめん!」

「あ…いや、莉緒のせいじゃねえけど」

莉緒が携帯に出る

ベッドから降りると、部屋を出て行った

俺に気を使っているのだろう

別にいいのに
…てか、電話してくるヤツがいけねえんだろうが

5分後
莉緒が部屋に戻ってくると、携帯を俺に差し出してきた

「何?」

「春ちゃんが話したいって」

「はあ?」

俺は携帯を受け取ると、耳につけた

「何ですか?」

俺はぶっきらぼうに口を開いた

『あ、えっとこの前、電気屋で……』

「ああ、覚えてますよ
斎藤さんですよね?」

『はい! 春って呼んでください』

「で、何の用ですか、斎藤さん」

『えっと、あのコンパの場所なんですけど…』

「あれ? 莉緒からメールが行ったと思いますけど
どこでもいいですよ」

面倒くせえ
早く終わらないかなぁ

『今、ネットで探しているんですが』

「はあ……斎藤さんの気に入ったところでいいですよ
難しいなら、俺が探しておきますが?」

『ええ? いいんですか?
お忙しいのでは?』

「はい、忙しいですよ
なら、俺が決めますから
予約が取れ次第、また連絡します」

『じゃあ、連絡先を……』

「え? 莉緒を通じてじゃダメなんですか?」