この部屋には似合わないピンク色のテーブルで、二人向かい合って夕飯を食べる。
今日の夕飯は成功したみたいで桜香も上機嫌だ。

「今日のは見た目も成功したな」

「でしょ!昨日よりは進歩したでしょ!」
まぁパスタだから簡単なんだけど…

「…あのさ…ごめんね。今日も泊まることになっちゃって」

「別に俺は居てもいいって言ってたじゃん」

「そうだけど…なんか…やっぱ悪いじゃん」

「まぁ、お前の好きにしていいけど」
やっぱり本音は言えない。

「…じゃあね、私、仕事探してお金貯める。それである程度貯まったら、どこかに部屋を借りるから。ここに住んでる間は家賃も半分払うよ」

「別にいいってそんなの。ガキに家賃払わせる程ケチじゃないよ」

「ううん…払う!私がそう決めたの!」

桜香は真剣な顔をしている。意地で言ってる感じではない。

「…わかったよ。それでいい」


「よかった!じゃあ、私達、今日からルームメイトだね。」

「あぁ。そういうことになるな」

「じゃあこれはお近づきの印に」

そう言って桜香はポケットから何かを差し出す。

桜香の手には苺の飴玉があった。