戻ってきた少女の手の中にはイチゴの飴が3つ入っていた。

「おーちゃん、これどうぞ」

少女から飴玉を受けとる
「…ありがとう」

飴玉を少女の分も開けて少女の口にいれる

「おいしいねぇ~あまいね~」

「うん…甘いね…甘い」
また涙が溢れる

「おーちゃん?」
また心配そうな少女

少女に心配をかけないようにすぐに涙を拭う
「トンネル掘ろっか?」

また笑顔になる少女
「うんっ!」

砂山の真ん中に大きなトンネル
心にポッカリ穴が空いた私みたいだ
トンネルね向こう側にはスズメが何かをつっついているのが見える

スズメは何かをつつき終わると飛び立って行く

スズメはいいな
いつでも羽ばたけるんだから

「おーちゃん?」
少女が顔を覗きこんでいる

「んっ?」

「トンネルできたよ~」

気付くと、砂山の真ん中にはさっきより大きなトンネルが出来ていて、砂山は今にも崩れてしまいそうだ

「えいっ!」
少女は砂山を上から潰す。

「…!?…なんで壊しちゃうの?」

「だってあしたもまたつくるもん。これはきょうのおやま。このおやまのすなはまたあしたおやまになるんだよ」