そう思った時、壁にかかった時計が目に入る。

7時半。

この人は仕事のはずだ。昨日は遅く帰ってきていたが、仕事が始まるのも遅い時間なのだろうか。
朝からだったらそろそろ起きないといけないかもしれない。

起こしていいのかな…

考えながら俊の顔を見る。心地よさそうな顔を見ていると起こしたくなくなる。

いや、きっと、私がこのままで居たいんだ

起こしてしまったらこの人は仕事に行ってしまう。
そしたらもうさよならだ。

もう少しでいいから、この人と一緒に居たい。

でも寝るのが遅くなったのは私のせいだし



やっぱり起こさなきゃ!!

寝起き悪かったらどうしよう。警戒しながら控えめに声をかける。

「あの~…」

「…」

声を大きくしてもう一度

「ねぇ!」

「…」

起きない
この人…なかなか起きれない人なんだ…
こうなったらしょうがない…

「ねぇ!!!!!」

「!?」

俊がびっくりして飛び起きる。

「…あれ…もう…朝??」

…可愛い
夜の俊とはあきらかに違う。
今の俊は子供みたいで可愛い

「一応、7時半だったから起こした方がいいかと思って…」