頭を撫でていると桜香は次第に穏やかな顔になり抱きついてきた。
少し驚いたが軽く抱きしめてそのまま頭を撫でる。

どんな夢を見ているのだろう。
桜香の顔を見てみる。初めて見た時は涼香に似ていると思った。
しかし今見てみると似ているのは似ているが、顔以上に似ているのはその雰囲気だった。少し寂しげな雰囲気。笑顔でいても、やはり少し切なげな顔をしているのだ。

この子は一体どこから来たのだろう。

この子は涼香と関係があるのだろうか。

そう考えていると桜香はまた強く抱きついてきた。

僕はそのまま桜香の頭を撫でながら眠りについた。



ここはどこだろう。
…あれ?この腕…

顔のすぐ近くに俊の顔がある。
そっか…昨日はここに泊まったんだった…

…!?…え?抱きあってる?
何で?

俊はぐっすり寝ていて目を覚ましそうにない。

何でこういう状態になったんだろう…

夢をみていたのは覚えてる。
夢の中で誰かが頭を撫でてくれた。

…もしかしたら、この人が頭を撫でていたのかもしれない。

この人、いい匂いするなぁ…

抱きあっているのにはびっくりしたが、すごく心地いい。

このまま、また眠ってしまおう。