放課になると俺はいつも、"ある場所"に向かう。
そこは大きな木下。
そこは四角になっていて見つかりにくいんだ。
いつものようにそこで寝ていたら、
目の前にあいつがいたんだー…
「――…ん?…」
「あ、あああの!」
あ、朝岑じゃん?
てかメッチャ動揺してるし…
って、こんなのんびりしてる場合じゃねぇ。
俺、顔見られたんだよな。
「……見た?」
「ヘッ??」
「俺の顔見ただろ?」
「見ましたけど」
「反応薄くない?
まさか俺の事知らないの?」
ある意味スゲー。
本当に地味っ娘なんだな。
「知りませんけど…」
「ふ~ん…
今時珍しいヤツもいるもんだな、
こ~んなおさげ頭して、スカート膝下で…
せめて眼鏡くらい外したら?」
まぁ本当は素顔が見たいだけなんだけど…
あ、それと今の俺が
“素”だから。
半分はバレないようにってのもあるけど、プライベートはこっちな。


