「みんな……
待ってる、新斗を待ってるのに。
新斗は…それでいいの?…――」
その時だった
カチャリと鍵を外す音が聞こえたのは……
あたしはすかさずドアノブに手をかけた。
――カチャリ……
「にい…と?」
初めて入る新斗の楽屋、ここで台本を確認したり……
してるんだよね?
「なんで来るんだよ?」
「来ない方が良かった?」
「当たり前だろ」
「新斗の考えてる事って、あたしにとったら全然嬉しくないよ。
どうせ、皆に迷惑かけるから、とか考えてるんでしょ。
?
だったらもうこの時点で迷惑かかってる!
だからさ、
迷惑かかった分、
最高の演技して最高のドラマ……
作ってよね?」


