『話したい』












イチは真っ直ぐ
あたしを見つめて
そう言った












『じゃあ帰るね』












「え?
やだっ!
カナエいてよ」












『あたしがいたら
話にならないでしょ?
帰りはイチ先輩が
送ってくれるって!
だから安心して












イチ先輩
ユキちゃんのこと
お願いします』












カナエが部屋を出ると
あたし達のいる空間は
しばらく無になった












『とりあえず
座ったら?』













気まずい沈黙に
イチの言葉が
こだました












.