…こいつは、一回



死ねばいいと思う。






「小百合ー」



「何」



「手当て」






そう言って野性みたいな
傷だらけの腕を差し出す。






「…死ね」






そう言いつつも
救急箱を捜す私。




はあ、馬鹿みたい





「何か変な奴が絡んで来た」


「へえ、誰」


「サユリのこと悪く言う奴」


「………」


「殴ったら、こんなんなった」






まだ手当てもしてない傷を
舐める野性的な仕草。




…またか



私、悪く言われたって
気にしないのに。