――天塚さん。


その名前に、酷く胸が痛んだ。


あんなに想ってくれているのに、天塚さんがstar letterの差出人じゃなかった、とわかったあたしの心は

まるで冷却された水を浴びたように、熱が冷めていくのを感じていて。



…最低だってわかってる。

罵られ、どんなに責められても仕方ないとも思う。



だけど、送られて来たstar letterを通じて彼に惹かれていたのは紛れもない事実なのだ。

許して欲しい、とは言わない。



でも、もう無理だと思った。


あたしは
あのstar letterに

優しい文字の、向こう側に居る人へ

恋をしていたのだから――。




黙ったあたしを見兼ねて、おきちゃんが答えを待たずに口を開いた。


「どうかしたんですか?」

「……ううん、どうもしないよ。」



何でもないフリして向き直ると、おきちゃんは

「ならいいですけど。」

と、どこか残念そうに肩を竦める。



おそらく、昨日
あたしと天塚さんがどう過ごしたのか聞きたいのだろうけれど

おきちゃんが期待してるような話はないから、あたしはそのまま口を閉ざした。