7月7日、逢いたくて



自分でも
どうしてそう思うのか

何でそう感じるのか、わからない。


ただ、陽平を想っていた過去を知ってる彼方に
聞かれるのが、怖かったのかもしれない。

でももう、あたしは陽平を好きな訳じゃないし
誰に咎められる事もないんだろうけど…。




黙り込んだあたしに
彼方は「よかったじゃん。」と一言だけ言った。



「…え?」

その言葉に誘われて顔を上げれば、彼方は口の端を上げて笑って続ける。



「だって、待ってたんだろ?」

その人の事、そう言われあたしはまた黙った。


…待ってた?
あたしが、あの人を?

誰に問い掛ける訳でもなく、あたしは心の中で彼方の言葉を繰り返す。



いくら考えたって、答えは出そうにもない。

けど、また会いたいと思ってたのは事実だ。


だからあたしは二人から視線を逸らしたまま

「……うん、」とだけ答えた。



すると、案の定…とでも言うか
再びおきちゃんは熱の入った声で、あたしを肘で突く。


「以心伝心、ってやつですねっ!」

「何よそれ、」

「だって、ほら!」


そう言って手渡されたハガキは、見覚えのある文字が綴ってあった。



5通目の、star letterだ。