そんなこんなで
あたしはつぐみさんと入れ替えに、ここで働ける事になった。


これは後で聞いた話だが
館長は初めてあたしを見た時から、ここで働いて欲しいと思ってたらしい。

でも、人手は足りていたし
なかなか切り出せずにいたと、つぐみさんが教えてくれた。



そして、あたしの名前。


笹原 織葉という名前に
深い繋がりを感じていたとも。




――7月7日、七夕。


あたしの名前の由来は
そこからきてると、ここで勤め始めてからお母さんに聞かされたのだ。


残念ながら、あたしの誕生日は7月6日。


だけど、予定日は7日だったようで。



七夕といえば、短冊に願い事を書き
笹の葉にぶら下げるという風習が、昔からある。

そして、もちろん
あのかの有名な七夕の代名詞とも言える、織姫と彦星。


織姫と、笹の葉。

そこから一文字ずつ引っこ抜き
付けられた、“織葉”



あたしは、自分でも気が付かないうちに
星とは深い繋がりがあったのだ。


それが、こんなにも嬉しい事だなんて
あたしは何て勿体ない時間を今まで過ごしていたのだろう。

もっと早く星の素晴らしさに気付いていたら
今とは違う人生があっただろうに、と後悔せずにはいられなかった。



でも、ここで働ける。

一日中、星に触れていられる。


それだけで、あたしの小さな世界は一変して色を変えたんだ。