ほんとはね、この時すごく怖かったんだ。 繋いでくれたノブくんの手が、すごく温かかったから。 その手を離すのが嫌だったんだ。 ずっと不幸だって思っていた自分の人生で、初めて幸せを感じたから。 もう少しだけこの幸せを味わっていたかった。 思い出したく無いような自分の過去。 それでもハッキリと覚えている。 ひとつひとつ記憶を辿って、 私はノブくんに全てを話した。 .