ずっと黙って隣に座っていたノブくんが、初めて口を開いた。
「初めまして。三橋伸幸です。今日は未希さんとの結婚を認めて頂きたくて、お邪魔しました。」
お父さんが顔を上げて、初めてノブくんを見た。
眉の間に深く刻まれた皺。
「何をバカな・・・この子は男の子ですよ。」
「違います。未希さんは女の子です。彼女に出会えた事は自分の人生で最大の幸せです。こんなに愛した人は、今までいませんでした。」
堪えきれずに、涙が流れ落ちた。
ノブくんはお父さんとお母さんをまっすぐ見たまま、言ってくれたんだ。
「僕が必ず未希さんを幸せにします。
未希さんの事、恥ずかしいと思わないで下さい。本当に愛しています。」
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