突然私のバイト先に現れた彼女は、真剣な顔をして話があると言った。



香織さんに休憩をもらって、私達は近くの喫茶店に場所を移した。



1度しか会った事のない彼女は、前に会った時とはまるで違う印象を受ける程、すごく怖い顔をしている。



「今日、正式に三橋さんの大阪転勤の辞令が出たの。」



なぜ彼女から、その話を聞かされるのか理解出来ないまま、私はただ黙っていた。



「まさか未希ちゃん、ついて行くとか言わないよね?」



「・・・・・・。」



まだノブくんにもちゃんと言っていないのに、関係のない人に話せない。



「私、三橋さんの事が好きなの。彼にも私の気持ちは伝えてあるわ。」



ハッと顔を上げると、彼女は少し微笑んでコーヒーを一口、口に運んだ。



前に舞が言っていた事を今の今まで忘れてたよ・・・




「大阪には、私がついて行くわ。」




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