ヨタヨタ歩く私からスキー板を取ると、ノブくんは軽々と肩に担いで運んでくれる。
「ありがとう」
「いーえ。今日の未希はお姫様やもんな?」
その言葉にニヤケながら、ノブくんの腕に絡みつく。
ノブくんは私の王子様。
雪を投げて遊ぶ舞と私に呆れた様に笑いながらも、板をはめる所から、手取り足取り教えてくれるノブくんと拓くん。
初心者の私達は、いくら丁寧に教えてもらってもなかなか思う様には出来ない。
「きゃ〜っっ!!いった〜いっ!」
斜面に90度と言われても、そのまま反対向いて後ろに滑ってお尻から転ぶ・・・
開始30分ですでに諦めモード。
「もーうっムリっ!」
「アカンっ!!はよ立ち!」
ノブくんはなかなかのスパルタ。
周りから笑われながらの特訓は続く・・・
.


