グランディオ

中央管理塔。色んな人が行ったり着たりとしている。こんな多勢の場所にはあまり居たくないと云う精神的辛さがギルスを襲う。

ギルドの情報や、パートナー募集の掲示板を細かく見回りながら、目的人物を探す。目的人物とは、ニニアスの父親、クウェイト・フォルテケ。Ｂ級とあの時はまだまだの実力ではあったが、ギルスを息子のように可愛がり、自分の娘を任してくれた最高の師。

だが、彼の名はギルド情報の中にも記載されてはおらず、受付までいって彼の行方を探ってもらう事にした。

「クウェイト・フォルテケ様ですね。少々お待ちください」

情報を素早く記憶し、引き出せると言う今の最高文明である【神の記憶】と呼ばれる機械が動き出した。小さくピーピーと連呼する音。

「クウェイト・フォルテケ様は二年と少し前に行方不明となっております。ギルドの方々の話では死んだと噂されていますが、未だ死体を未確認のためこちらでは行方不明のままとさせていただいております。詳しい話は所属していたギルド、“デッドラビューン”のヴァイダーに聞いた方がよろしいでしょう」

（デッドラビューンか、久しぶりだな。といっても俺のことを覚えている奴なんていないだろう。住宅区にいたからな、当時は）

特別区北東地域と住所を教えてもらうと、彼は受付を去ろうとした。

だが、振り向いた先には見知った顔が、驚いた顔をしてそこに立っていた。