ガチャッ。 『失礼します!』 大きな声で社長室に入ると、松浦さんの姿はなかった。 秘書の方が『座って待っててね』とただそれだけ言って部屋を出て行く。 ―うわ…行かないでよ〜(泣)― と心の中で思った。 心臓が飛び出るんじゃないかってぐらいドキドキしていた。 ―なんて言われるんだろ― ガチャッ。 ドアが開いたから、慌てて立ち上がる。 『お疲れさまですっ!!』 ガチガチになっている私を見て松浦さんが笑う。 その笑顔を見たら自然と緊張が解けた。