ブーッ…ブーッ。
さっきから携帯のマナーモードが鳴りっぱなしだ。
画面には
―ママ―
と映し出されている。
佑斗と約束したけど、ママに言ったら明日学校だしダメっていわれるのが分かってるから、連絡しないでいた。
ママからの電話も、メールも
鬼のように来ているけど、さっきからずっとシカトしている。
『電話出ないの？』
何も知らない佑斗と渡辺さんは不思議そうにしている。
『あ！うん。友達だし、めんどくさいからいいや。』
嘘をついた。
ママへの申し訳なさで心はずっとモヤモヤしてたけど、そんなことより今は、大好きな佑斗といて、寮のみんなとワイワイすることの方が楽しかった。
