【実話】コイウタ・完



そして、歌い終わると
一気に不安が私を襲う…。MCの番だ…。




『皆さんこんばんは!宮脇詩音です』




ガチガチな体から精いっぱい、声を振り絞って喋りだした。




―うわぁ…。やっぱり私喋れない…!!―




急に震えだす足…。




今、目の前にいるお客さんは
みんな温かい人達だと分かっていながらも、なぜかお客さんのパワーに押しつぶされそうになる。




大丈夫…

一人じゃない…



そう言い聞かせ、また喋りだす。

バンドメンバーを一人一人紹介すると、少し気が楽になった…。



ガチガチだった体も自然さをとり戻し、笑顔になる余裕も出てきた。







それからは順調に進んだ。





『では、聴いてください。BOY…』


デビュー曲、「BOY」…


この曲のアコースティックアレンジのイントロはアカペラ。
私の声と、今井さん、伊藤さんのコーラスが重なるサビから始まる。


3人の声だけが会場に響く…。


時が止まったかのように会場にいる人達の動きがピタッと止まるのを感じた…。


そして、Aメロから3人の演奏に合わせて歌いだす。