【実話】コイウタ・完




駅の近くになると、佑斗の姿を見つけた。



人ごみの中にいたって、すぐに見つけられる愛しい人…。




こういう風に待ち合わせすることも、もうないかもしれないから…一歩ずつアスファルトを踏みしめながら歩く。



『よっ』


いつもと変わらず優しい笑顔…


また今までみたいに戻れるかもなんて期待しちゃうよ。



『………』


佑斗に笑顔を向けた。



『とりあえずゆっくり話せる場所行く?』


『うん。私んちでいい?』


『おう』




二人、肩を並べながら歩く…


触れそうな佑斗の右手と私の左手…。


きゅっと佑斗の手を握ってみる。


なにも言わずに佑斗は、私の手を握り返してくれた…


手から伝わる佑斗の温もりが…懐かしくて…手放したくなくて…ちょっと苦しくなった…