【実話】コイウタ・完



―後日―




約束通り、今井さんは私に会いに来てくれた。


会議室で向かい合って座る私たち…。


今井さんは大人…
私は、まだ17才の子供…


今井さんにきちんと伝わるようにと、精いっぱい自分の言葉で考えた。






『私、デビューシングルの結果が良くなくて…2ndシングルをメジャーから出すことが出来ないんです…。』



『………』



なにも言わず一生懸命、私の言葉を聞いてくれる今井さん。


『でも、1000枚のCDをお店に置かずに自分の力だけで1000人の人に届けて、それを達成できたらメジャーに戻れるんです。またrhythm zoneからCDが出せるんです。だから私は弾き語りをしようと
思っていて…』


『僕はなにをしたらいいのかな?』


『私の歌を譜面に起こしてもらえませんか…?』






私は、スタッフさんに取り寄せてもらった「Shinin’ Star」のコード譜を今井さんに手渡す。



コード譜というのは、曲のコードだけが書かれた譜面のこと。





この曲のコードはとても複雑らしく、avexのディレクターさんでさえ、「これは難しい曲だ」と言っていた。



私は今井さんに、「Shinin’ Star」を弾き語り用にアレンジした譜面を作ってもらい、それを私が弾けるようレッスンをしてくださいとお願いした。




『これ、難しい曲だね。でもやってみようか。じゃあ譜面が出来たら連絡するね。』


『ありがとうございますっ!!一生懸命がんばります!!よろしくお願いします!!!』



ぎゅっと手を握ってそう言うと、今井さんは優しい笑顔を見せてくれた…。