涙すら出てこない。
渇いたとか、そういうのじゃなくて、“恐怖”という感情を通り越して、“呆れ”に近いものがあった。
呆れ、というより、諦め。
「さぁ、王様ゲームの続き、しようか」
「やめて」
抵抗はしてみるが、ほとんど無気力。
「凛、好きだよ」
どんな言葉よりも、その台詞が一番苦痛だった。
好きだよ好きだよ好きだよ。
何度も囁かれるその言葉は、将来トラウマになるほどのものだった。
近付いてくる喜一君の顔。
「……やっ!!」
顔を横に背けるが、すぐに戻されてしまう。
「愛してる」
“好き”の上をいく言葉は呟き、彼は、あたしに、
キスをした。

