ガタッ………! 襖が開く音がして、見えない分耳を音がした方に集中させる。 「痛いでしょ?」 ゾワッと全身の鳥肌が立つ。 「駄目だよ、怪我しちゃう」 「だったら……外して……」 薄ら笑いする喜一君を、睨む。 それを見て、喜一君はニッコリと微笑んだ。 「外したら、逃げるでしょ?」 当たり前だ。 「もう、離さないよ」 生暖かい体温が、頬に伝う。 気持ち悪い…… 「……触らないで」 「可愛い」 何を言っても無駄だ。 狂ってるから。