ガシャンというドアが重く閉まる音と、ガチャリと軽く鍵がかかる音が遠くで聞こえた。


「また二人きりになれたね」

もう見ることもないと思っていた顔が、あたしの目の前で微笑んでいる。


カシャン……

自分の手首にひんやりとするなにかと、ズシリという重みが伝わった。



静かにその“なにか”に視線を落とす。

これは、手錠っていうのかな……


よくドラマや漫画でみる“それ”が、あたしの手首を頑丈に拘束していた。

もう取ろうとも思わない。


死んだ。


もうこんなの、“死んだ”に等しい。

だから、もういい。


どうにでもなれ。