『一階です』 無機質な声を聞き届ける前に、あたしはエレベーターから飛び出した。 「凜ーーーー!!!!」 ドクンッと心臓が脈打った。 聞き覚えのある声。 覚えたくなくても耳に残るその声は、あたしの名前を叫んでいた。 一瞬止まってしまった足を必死に動かし、とにかく走った。 遠くへ。 アイツに見つからないどこか遠くへ行かなくては。 「凜っ!!!!!」 まだ叫び続ける声に恐怖を抱きながら、走り続けた。 助けてっ、助けてっ、助けてっ!! 誰か助けてっ!!!