だから、喜一君の手には医療系器具が握られているのか。 そんなかとを納得しながらも、体が徐々に震えだした。 切られる。 傷つけたくない。 彼はそう言った筈だ。 だけど、傷つけられる。 今から。 矛盾している。 「おとなしくしててね」 そう言い、喜一君はあたしの目に布を縛った。 閉ざされる視界。 何も見えない恐怖と、何が起こるかわからない恐怖。 それがさらに体を震わせた。