床に倒れ込む喜一君。
下を俯いていて、表情がわからない。
何を言ったらいいのかわからない。
「き……」
「ごめんね凜!俺、なにしてんだろ……」
喜一君は謝ってきた。
呆然とするあたし。
そうか、喜一君はあたしを愛しているんだ。
自分で言うのもあれだが、愛しているから不覚にも手を出したことに後悔しているんだ。
喜一君の姿を見ながら、あたしはただそう思っていた。
「いや………大……丈夫……で…す」
ただ、そう言うしかなかった。
喜一君は立ち上がり、外れかけたボタンをかけはじめた。
「ごめんね」
かけ終わったあと、喜一君はあたしを抱きしめた。
なぜか、寂しさが伝わった。
温かいのは、体温なのかそれとも………――

