「離してっ………!」 怖い。 「凜」 耳元で囁かれる、恐怖の声。 口を押さえられ、言葉をなにも発せれない。 「おとなしくして。凜のこと好きだから。今ここで傷付けたくないんだ」 「………っ」 『今ここで』 今じゃなく、あとになれば―――――…… 震え出す体。 視界が暗くなると同時に、布の感触。 あぁ、もうおしまいだ。 「大丈夫。ちょっと、協力してもらうだけだよ」 優しい悪魔が、甘く、 囁いた――――――