手首から伝わる重み。
鉄がこすれあう音。
「手、錠………?」
実際は、手錠のようなもの。
名前のしらない“それ”は、簡単に言えば鎖。
鎖があたしの両手首に繋がれていた。
「なに、これ??」
状況がまったくつかめず、喜一君の顔を見る。
「ごめんね。離れられるわけないよ、凜……」
喜一君は眉を下げ、微笑んだ。
怖い……
「外して……」
「無理だよ。凜は俺のなんだから」
笑顔で言う喜一君をよそに、あたしはガチャガチャと鎖を外そうと試みた。
が、鉄で出来てるだけあって、びくともしない。
喜一君のほうから玄関の扉のほうへ体を向け、鍵をあけて出ようとしたときだった。
バンッと開きかけた扉を閉じられ、口を押さえれる。
「駄目だよ凜。王様の言ことは聞かなくちゃ」

