なにをするのかと思い、あたしは呆然と見ていた。 喜一君は男の人の胸倉を掴み、 「なに見てたの?」 質問をして返事を聞く前に、殴り始めた。 「ちょっ、喜一君っ!!」 きゃぁ、と騒ぎ出す店内。 そんなことも気にせず、まだ座って呆然としている男の人の胸倉を掴んだ。 あたしはそれを必死に止める。 「凜、危ないからどいて」 笑顔であたしに言う。 まるでこの行動が当たり前のようだ。 「なにしてんの!?やめてっ!!」 「凜は俺のだから」 言ってる意味がわからない。