大学も終わり、帰ろうとしたとき。
鞄の中の携帯が光っていることに気が付いた。
【新着メール:10件】
10件!?
誰?
ずっとマナーモードにしてたから気づかなかったんだ。
誰……
予想はだいたいついていた。
不安を抱えながら、一番最初に来たメールを開く。
【今日会えるの楽しみ♪】
それを見た瞬間、携帯の時計を確認する。
今日……喜一君と会う日だったんだ。
待ち合わせの時間は、5時半。
現在6時過ぎ。
完全に忘れていた。
ほかのメールは、どうしたの?とか嫌いになった??とかだった。
ヤバイ。
忘れていた罪悪感よりも、
これからなにが起こるかの恐怖のほうがあたしの心を支配していた。

