「そういえば、杏はどうなの?」
「どうって?」
「高三重君と」
あの合コン以来、進展はあったのだろうか。
「まぁね」
にやりと意味ありげな笑みを浮かべた。
「なにそれ」
「付き合ってるよ」
「マジ?初耳だし」
「だって教えてないもん」
あたしはこんなに相談して、喜一君との関係言ってたのに、なんで秘密にしてんのよ。
言いたいことを心の中で言う。
「いつから?」
「合コンの帰りに告白された。酔っ払ってたらからよく覚えてないんだけどね」
杏らしいや。
でも、杏もあたしも合コンの帰りだなんて。
出会ってすぐ、付き合うって初めて。
普通は、もうちょっとお互いのこと知ってから。
って思ってたけど。
あたしはどうでもいいことを考えていた。

