耳元でいやらしく囁かれたその言葉に、拒否反応を示したが、 もう遅かった。 覚えてる。 頭の中に残しておきたくなくても、半強制的に残されるその記憶は、 ただの“恐怖”の塊のなんにでもなかった。 体を離そうとしても、強く捕まれた体は、びくともしない。 「やっ………!」 「駄目だよ、凛。離さないって言ったじゃん」 やっぱり、違ったんだ。 ううん、 何も違わない。 彼は“依存”していたんだ。 “蓮田凛”という名の、“あたし”に。