震える、体が。
まるで、自分のように感じなくて。
優しく包まれたその感触。
何が起きているのか理解するのに、結構な時間がかかり。
喜一君に抱きしめられてるとわかった時には、また体が震るえだしていた。
「大丈夫」
キツく抱きしめられた体の震えが、徐々に治まっていく。
「だから、教えて……凛は、僕のこと」
涙が、溢れ出して
「好きだった?」
流れていく。
「好き………だったよ」
掠れる声で、あたしは静かに言った。
それは、確かに本音だった。
笑って幸せだった日々が、頭の中でリプレイされていく。
もし、願うなら
「じゃぁ……」
もし強く願うのなら
「これから僕と凛は」
彼が普通に
「ずっと一緒……」
人を愛してくれることを願います。

