久しぶりにまともに食べた気がする。
体が拒否反応を示さない。
末期か。
通り越したら何があるのかと思ったけど、案外普通のものだった。
「食べたね」
喜一君は食器を洗い場に持って行った。
今の状況が理解できない。
あまりにも普通すぎる。
さっきまでとまるで違う。
まるで……まるで付き合っていた頃のような……
「ねぇ、凛はどれくらい僕のこと好きだった?」
ぼーっとしていたあたしに、キッチンから戻ってきた喜一君が聞いた。
「え…………どれ……くらい……」
急な質問と、あまりにも普通過ぎる内容に、少し拍子抜けした。

