ピンポーン―――――――― ノコギリがあと数センチというところで、チャイムがなった。 止まる喜一君の手と、あたしの体。 流れる沈黙と、何度も鳴るチャイム。 「チッ」 軽く舌打ちをしたあと、あたしの腕を掴んで玄関へと向かった。 あたし……生きてる。 そう感じるだけで、かなりホッとした。 「なんでしょうか?」 あたしの腕を強く掴み、ドアの陰に隠しながら、喜一君が言った。 あたしの所から、相手の顔が見えない。 助けてっ………!! 「いえ、なにか物音が聞こえたので……」