「いえ、ちょっと掃除をしてて。うるさかったですよね、すみません」 そう言ってドアを閉めようとするのを、止めた。 「叫び声みたいのも……聞こえたんですけど」 閉じかけていたドアを再び開け、男は相変わらず笑顔で説明した。 「テレビを見てて」 「テレビ……ですか?」 「はい。納得していただけましか?」 「あ、はい。すみませんなんか……」 急に恥ずかしくなり、俺は慌てて頭を下げた。 「いえ。お騒がせしました」 「じゃぁ、またなにかあったら」 そう言って俺は自分の部屋へ戻った。