ガタッ…………!
壁に耳を当てると、ハッキリと聞こえた。
喧嘩かなにかか??
それにしても結構激しい喧嘩だよな……
『いやぁぁぁぁぁぁぁ―――』
!!?
あまりにも大きい叫び声に、壁から耳を離した。
これはマズイッ!
俺は急いで部屋を出て、お隣りの家へ向かった。
ピンポーン―――
チャイムを一度鳴らすが、応答がない。
家に誰かいるのは確かだ。
もう一度チャイムを鳴らすが、変化なし。
ドアを叩こうとした瞬間、ドアが開き、男の顔が出てきた。
チェーンがしてあり、本当に顔だけ。
「なんでしょうか?」
優しく笑うその男は、だいたい俺と同じ歳くらいのようだ。
「いえ、なにか物音が聞こえたので……」
そう喋りながら、部屋をさりげなく覗いたが、薄暗くてよくわからない。